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Z用メタルコアエンジンカバーガスケットシリーズの開発

御周知の通り 「Z」が世に出て半世紀が過ぎました。依然高い人気を誇るカワサキの最高傑作ですが、50年の歳月を振り返ってみれば、技術の進歩により「当時は最先端だったけど現在では…」と、いった課題も浮き彫りになってしまいます。

その一つがエンジンガスケットで、「オイル漏れ」と「分解時のこびりつき」は今なお多くのユーザーを悩ませる大きな問題の一つです。

PMCではこの問題を解決すべく、「メタルコア」のガスケット開発に取り組むことにしました!

純正のエンジンガスケットは「樹脂系素材を固めたシート」で出来ているため、上記2点の問題が発生してしまいます。素材を変えることでどのように解決に向かうのか、少し詳しく見ていきましょう。

 

【オイル漏れの問題】

当時純正採用されていた樹脂系素材を固めたシート(通称紙ガスケット)は素材の厚みがあるためトルクダウンが大きく、オイル滲みが起こる可能性が高くなります。
※トルクダウンとは、適正なトルクで締結したあとにガスケットが潰れることにより、ボルトのトルクが下がってしまうこと。
PMCのメタルコアエンジンカバーガスケットシリーズは0.2mmのSPCC材(スチール)を芯材に採用する事でこの問題を解消します。更に0.2mmの発泡NBR素材(ニトリルゴム)で芯材を挟み込むことにより、ガスケット面への追従性が向上し、高いシール性を発揮します。

*断面図。白く見えるSPCC素材を黒い発砲NBR素材で挟み込んでいるのが分かります。

 

【こびりつきの問題】

表面の発泡NBR素材の大きなメリットとしてガスケット面にこびりつくことがなく、剥離が非常に容易になります。作業は1時間で終わるのに、ガスケット剥がしで1時間苦戦した!という経験がある方もいるのではないでしょうか。
メタルコアガスケットを使うことで、メンテナンスにかける時間が短縮されます。

 

【使用するオイルの幅が広がるメリット】

新素材の恩恵として従来のエンジンガスケットでは使用出来なかった全化学合成油が使用可能になります。今まで高性能オイルを使いたいけど、漏れが…と躊躇されていた方には朗報です。

 

【性能はテストで実証済】

PMCではZ1000MK2を使用したテストを行い効果検証しました。数か月間全化学合成油(ASH FSグレード)を使用の条件下で推移を見守りましたが、オイル漏れやにじみもなく結果は上々です。

各パーツを実物から寸法取したこともあり、懸念される問題点は解消されていると考えて良いのではないでしょうか。

 

【発売は2023年春ごろを予定】

Zシリーズをより快適に、安心してお使いいただける「メタルコアエンジンカバーガスケットシリーズ」は2023年春の発売に向け、鋭意製作中です!

【適合車種】

Z1/Z2 / Z900 / Z750A4,A5 / Z1000A1,A2 / Z750D1 / Z750FX-1 / Z1000MK2 / Z1R

【ガスケットラインナップ】
クラッチカバー / ダイナモカバー / ポイントカバー / テンショナー / ポイントベース / オイルパン / ミッションカバー / キックカバー

 

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