KAWASAKI Z1/Z2を形作る部位について【ブレーキ ホース編】
第十回は前回に引き続き、カテゴリ【ブレーキ】にあたる部位のフロントブレーキのブレーキホースについて。
前回はマスターシリンダーの部品について迫っていきました。
マスターシリンダーから送出されるブレーキフルードはキャリパーのピストンを押し出します。
そのマスターシリンダーからキャリパーまでをつなぐホースがブレーキホースですね。
最新の外車(BMW等)や社外品では、フッ素樹脂系のパイプをステンレスワイヤーで編み込んだメッシュホース等があります。
当社でもEARL’S製パーツを使用したメッシュタイプのブレーキホースを取り扱っていますが、Z1/Z2を含む国産車のほとんどがゴムホースを使用しています。
カスタムライクな車両に仕上げるならばメッシュホースは必須パーツですが、純正ルックに仕上げるならばゴムホースが必須パーツとなりますね。
Z1/Z2はフロントブレーキスイッチが油圧式となります。
このため、マスターシリンダーとキャリパーの間(アンダーステム部)にブレーキスイッチを取り付けるためのアダプターがあります。
油圧式スイッチは機械式スイッチと違い、内部での接触不良を起こす可能性があります。
ブレーキスイッチが動作していないと、整備不良として保安基準違反となりますので、運航前には必ず点検しましょう。
ターミナルとコネクターを保護するためのカバーも劣化しやすいので、早めの交換が望ましいですね。
《Z1/Z2 ステンレスブレーキレバーボルトセット》 |
《油圧フロントブレーキスイッチ》 |
ブレーキホースはマスターシリンダー~アダプターのアッパーホースとアダプター~キャリパーのロアホースの2本で構成されます。
アッパーホースはガイドとの摩耗を考慮されスプリングで保護されています。
《Z1/Z2 ワイヤークランプセット》 |
マスターシリンダーとアダプターの取り付けはバンジョータイプ。
国産車で一般的なM10のピッチ1.25のバンジョーボルトが使用されています。
《Z1/Z2 アッパーブレーキホース》 |
《ステンレスバンジョーボルト2本セット(クラッシュワッシャー付き)》 |
また、Z1/Z2で特徴的なのがロアホースからキャリパーへはブレーキパイプで接続します。
これはキャリパーがフロントフォーク前側にマウントされるが故の構成ですね。
ロアホースに関しては、アダプター側はバンジョータイプで同じくM10のピッチ1.25のボルト、パイプ部はIF1.25(インバーテッドフレアのピッチ1.25)になっています。
EARL’S等で使用されているAN#3(AirForce/Navy)とは異なるため、要注意です。
《Z1/Z2 ロアブレーキホース》 |
《Z1/Z2 ロアブレーキパイプ》 |
ロアホースはブラケットで固定されます。
グロメットがなくなっていたり、錆が出ていたりすると目立つ部分ですので、早めの交換をしたいところですね。
《Z1/Z2 ブレーキホースブラケット(グロメット付き)》 |
ロアホースからキャリパーへ接続されるパイプは両側がIF1.25形状となります。
IFは最新車種のABS部に使用される規格でもあります。
ABSに使用される場合はほとんどがピッチ1.00ですので、互換性はありません。
機能性の向上が見込めるパーツではありませんが、ブレーキ周りを新調する際は同時に新調すると気持ちが良いですよね。
次回はブレーキ関連のディスクローター周辺について迫っていきます!
乞うご期待!