KAWASAKI Z1/Z2を形作る部位について【リアドラムブレーキ】
今回はリアのブレーキ周りについて迫っていきます。
Z1/Z2のリアブレーキは代名詞ともいえるドラム式ブレーキです。
1977年のZ1000A1/Z750Four D1からはドラムブレーキが廃止され、ディスクブレーキへと進化します。
現行車でも主流であるディスクブレーキよりも、性能が劣るとも言わざるを得ないドラムブレーキですが、そのコンパクトな見た目と、ノスタルジック溢れるスタイルを紐解いていきます。
スラっと伸びた長いブレーキペダルはドラムブレーキの特徴です。
美しいクロームメッキが施されています。
《Z1/Z2 リアブレーキペダル》 |
リターンスプリングは経年劣化で変形や錆を起こしやすい部品です。
踏み込みの感覚や戻りが悪いと思ったら交換時期です。
リアブレーキがディスクに変わるZ1000A1/Z750D1からは形状が異なりますので要注意です。
《Z1/Z2 リアブレーキペダル》 |
ブレーキペダルとスイッチはフックで連結され、リアブレーキのストップランプを灯します。
ブレーキ周りの電装系は不具合を起こすと、思わぬ事故を引き起こし兼ねないので、乗車前には必ず正常に動作しているか確認しましょう。
《Z1/Z2 スプリング&フックセット》 |
《Z1/Z2リアブレーキスイッチ》 |
ブレーキペダルを踏み込むとドラムハブに取り付けられたアームを引っ張ります。
この際プルロッドが変形していたりすると、正常にアームを引っ張れず適切な力が掛からなくなってしまいます。
アジャスター部分も錆等で固着していたりすることも多いので、スムースなブレーキングの為にも定期的なグリスアップが必要になります。
《Z1/Z2 プルロッド》 |
《Z1/Z2プルロッドアジャスター》 |
ドラムブレーキのブレーキパネルはトルクロッドを介してスイングアームにリジット構造で固定されています。
マウントボルトは特殊形状となっております。
《Z1/Z2 トルクロッド》 |
《Z1/Z2トルクロッドマウントボルト》 |
ドラムカムを動作させるための部品がブレーキアームです。
PMCではSTDよりも35mmロングの設計にすることで、レバー比(てこの原理)を大きくし、絶対的な制動力を大幅に向上させています。
《Z1/Z2 ロングブレーキアーム》 |
ブレーキパネルの内部にブレーキシュー周辺が装着されます。(カムシャフトは取り外しています)
《Z1/Z2 ブレーキシューダストシール》 |
《Z1/Z2 ブレーキシュー》 |
《Z1/Z2 ブレーキシュースプリング》 |
《Z1/Z2 ブレーキシューワッシャー》 |
ドラムブレーキハブ
ホイール編でも紹介したホイールハブ。
ドラム内部のライニングは錆が発生しやすく、錆びてしまっていてはきちんとした制動力が得られなくなります。
錆びている場合は研磨する必要があります。
ここで油分が残っていると、ブレーキの効きに大きな影響が出ますので、徹底した脱脂が必要です。
ドラムブレーキはその構造上、ホイールを外した際にしかメンテナンスが出来ません。
それなりに大掛かりな作業になってしまうので、きちんとしたメンテナンスがされていない個体が多いのも現実です。
摩擦部はしっかり脱脂し、摺動部にはしっかりグリスアップをしてあげ、正確に組み上げることで、十分な制動力が発揮されるドラムブレーキ。
ブレーキのトラブルは危険に直結するので、中古でZ1/Z2を手に入れた際は必ず一度はメンテナンスしておきたいですね。