5秒でできる!バイクサスペンションのコンディションチェック
バイクの乗り心地を左右する重要な部品のひとつが「サスペンション」です。基本車両の前後に装備されていて、「フロントフォーク」「リアショック」などとも呼ばれます。今回は「リアサスペンション」についてのお話です。
サスペンションと言う部品は、レースシーンでは細かなセッティングを繰り返し、最適解を導き出すのにプロが総出になるほどの重要部品でありながら、特にストリートユースではほぼそのコンディションが無視されているという現実があります。なぜなら、サスペンションについて「悪い状態」と「良い状態」の違いを知る機会や意識する機会が皆無に等しいからです。
ちなみにサスペンションの状態が悪いと何が問題なのでしょうか。答えは「命にかかわる」です。
サスペンションの役割は乗車時の安定性と操作性を向上させることです。しかしその機能が十分に果たされない場合、ライダーが持つスキルが十分に生かされることはありません。これは先に述べた「レースシーンで細かなセッティングが繰り返される」事で証明されていると言えます。安定性と操作性は「乗り心地の良さ」という言葉で表現される機会も多いのですが、本質的には「ライダーの命を守る可能性を上げる」為に必須の性能です。
サスペンションについて踏み込めば奥深い話も多いのですが、まず今回はお使いのサスペンションについて簡単に診断できる方法をご紹介します。
*少し主観的な方法が含まれますので、症状に合致した場合でも最終的にはお近くの専門店で診断を受けられる事をお勧めします
【リアサスペンション(リアショック)の診断】
リアサスペンション(リアショック)は主に路面のギャップを吸収することで乗車時の安定性と操作性を向上させます。構造を簡単に紹介すると、ダンパーと言う部品の周りにスプリングがあり、スプリングが受けた衝撃をダンパーが吸収し(減衰)、スプリングがいつまでも飛び跳ねないようにしています。
しかし、こちらも長く使ううちにダンパー内のオイルが漏れたり粘度が低下することでスプリング「だけ」が生きているような「悪い状態」になります。
この場合、バイクを立てた状態でリアを下方に押し込むと、スプリング(バイク本体)は上下運動を繰り返し、収束するまでに時間を要します。この症状が見られた場合、かなり深刻な取り換えサインと言えます。
<セルフチェックのサンプル動画>
【リアサスペンションのリフレッシュ】
リアサスペンションの減衰力低下が見られた場合、
・サスペンションの交換と調整
が推奨されます。
*ハイエンドモデルの場合はオーバーホールと言う選択肢もあります
サスペンションの種類は多岐にわたりますが、出来れば
・プリロード調整(スプリングの張り具合調整)が出来るもの
・減衰力の調整(スプリングの跳ね具合調整)が出来るもの
をお勧めします。その他さまざまな機能が搭載されたモデルがあります。ご自身の用途に適したモデルが何なのかを知りたいと思われましたら、ぜひYSSにお問い合わせください。
今回はPMCのスタッフが所有するHONDA MAGNA250のサスペンションを交換してみました。こちらは左右一対の「ツインショック」と呼ばれるモデルです。交換はねじを外して付け替えるだけなら5分で済みますが、乗車時のバランスが最適になるよう「サグ取り」という計測を行い、そのデータに基づいてセッティングを行いました。このひと手間でサスペンションが持つ性能を最大限発揮できるようになります。
<サグ取りの風景>
そして無事取り付け調整を行った後、再度セルフチェックを行いました。
<セルフチェックのサンプル動画>
車体が反動で跳ね続けることなく、揺れが一瞬で収まっていることが分かります。参考までに実験その2を再度見てみましょう。
劇的な変化です。リアサスペンションを交換した状態で一般道(少しワインディング含む)を走ってきてもらった感想は「別のバイクかと思うぐらい快適になった!」でした。
*感想には個人差があります
「最近、思ったように曲がれない」「高速走行時の揺れがひどい気がする」などの症状に覚えのある方は、一度これらの診断をお試しください。そのうえで「ひょっとして変えた方がいいかな?」と思われましたら、是非YSSか最寄りのショップ様までご相談ください。
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